古典の空 
                      尾崎喜八

  雲をちりばめた西方の青ぞら、
  ましてや秋の朝がたの
  たわわの柿に頬白の来る井戸ばたで、
  みなぎりわたる空気を通して
  はるかに眼をはなてば、
  ああその青ぞらは古典の美、
  永遠の中世期を思わせる。




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注)頬白 ホオジロ